「強がんなよ。 どうしたんだよ? 悔しいことでもあった?」 そう言いながらドンと鞄を下ろしてしゃがみ込み、あたしの顔を覗き込んできた。 「...な、にもない。 あってもあんたにだけは絶対に言わないから。 ってかこっち見ないで。」 そっけなく目も合わせずにそう言ってた。 だけど、奴はあたしを直視してくるのをやめない。 その視線に耐え切れなくなってしまったあたしはまた顔を伏せた。