この音に想いのすべてを乗せて。








店と直結している羽奏の家のリビングではテレビがついていて羽奏の言うように9回裏、1点ビハインド、ツーアウト満塁で4番のスラッガーの打席だった。

カウントはフルカウント。



俺は、今まさにピンチである側の高校を応援しているからあまり嬉しくない展開だ。



「この4番今日も当たってるんだよね。

逆転かな?裕輝どう思う?」



目をキラキラさせながら羽奏は俺に聞いてくる。



音楽一筋に見えるけど、慶人くんの影響を受けたのか野球も大好きな羽奏だから、この試合の展開にワクワクしているのが伝わってくる。