羽奏とはガキの頃からの付き合いだった。 家が近いこともあって羽奏の兄貴がスポーツ用品店である俺ん家の常連でそして、俺の姉貴が羽奏ん家の楽器店の常連だったことが主な理由。 「裕輝(ゆうき)!! 羽奏ちゃんのとこ行くよ。 着いておいで。」 たまたま所属しているリトルリーグの練習が休みだった夏のある日。 俺がリビングのソファの上でだらだらしながら高校野球のテレビ中継を見ていた時、自分の部屋の扉をバンッと開け放ってそう言ったのは中学生の姉貴、汐梨(しおり)だった。