この音に想いのすべてを乗せて。








「なんで、そんなこと、知ってるの?」



いつも自分のしている野球のことで頭がいっぱいなはずなのにあたしを見ていてくれていたことに驚いてそう聞いた。



「俺さ、好きなんだよ。」



「え......。

なに?」



いきなりそんなことを言ってくるから胸がドキンとなるのを感じた。



「お前の吹く楽器の音が好きなんだよ。

だから俺はいつもお前のこと見てた。

一生懸命楽器かまえて楽しそうにしてるとことか。」



なんだか、頰が熱い気がする。