この音に想いのすべてを乗せて。








そこにはいつもよりも優しげな顔をしたあいつがいた。



「お前は頑張ってたじゃん。



毎日誰よりも早く部室来て、準備して、片付けもやって、帰るのは一番最後だったろ?

しかも、家帰ってからも、部屋が防音なのをいいことに夜遅くまで練習してたし。



今はダメでもそんだけ努力してたらいつか絶対報われるって。」



そんな風に言ってくれる奴の言葉を聞いていたらいつの間にか涙はすべて乾いていた。