なんて考え込んでいたら


ショートの髪を大きい手がふわっとなでた


振り返って見てみると、どうした?


と言わんばかりの顔であいつがこちらを見ている。


あつもはしゃきっとしてるから


その間抜け顔に笑いそうになる。


というか笑った。


けどあいつには察されないようにふっとだけ。


そして


「なんでもなーい。ゆうはどうした?」


って聞いてみた。


「あのさ……言いにくいんだけど……」


ん?どうしたんだ?


「どうした???」


「家庭学習やるの忘れちゃったから答え貸して……」


はぁ……またか……


「んもー!バカなの!?
あれほど昨日の帰りに先生が忘れないようにって言ってたじゃん!!!」


だって今日が中学校最後の宿題の提出日だもん……


「ごめん……
いいから今からやるから早く貸してください……」


しょぼんってして下を向きながらゆうは言う


こんな姿を見せるのはうちの前だけなんだよな


って思ったら急に好きだなって実感する


「しょうがないんだから!
朝のSTまでには間に合わせてよね?」


あ、ゆうの顔がぱぁっと明るくなった。


やっぱりどれだけ諦めたくても諦めなかったのは


諦めなきゃ報われないって気持ちよりも


好きって気持ちの方が勝っちゃったんだよね。