計画的俺様上司の機密事項

よりによって何でわたしが上の階の掃除まで引き受けないといけないのよ。

ただでさえ、自分の仕事ができてない状況なのに。


「有沢さん、どうかした? さっきからブツブツ何かいってるけど」


野上くんが眉をひそめながら、パソコン越しにわたしを伺っている。


「え、そ、そう?」


野上くんは首を縦に振る。

それをみた、シンちゃんはふ、と軽く笑い、


「いろいろ仕事があって忙しいなあ、有沢」


とわざと大きな声でわたしにいってきた。

シンちゃんが一番仕事を振ってきてるくせに。

何にも言えないことをいいことにっ。


「ええ、頼りにされているみたいで」


嫌味ったらしくシンちゃんにいってしまった。

案の定、野上くんがちょっと引いている。


「あ、ちょっとイライラしちゃったかなあ。あはは」


真鍋先輩の真似をしようと上品に笑ってみたけれど、あまり上品ではなく笑い飛ばすだけで終わっている。

これ以上余計な仕事、増やしてほしくないと願うばかりだけど。

ようやく一つの特集記事がまとまって、あとは校正するのみだと安心しきっていたところ、わたしの席の内線がなる。

「はい、4階、有沢です」

「有沢〜。頼む、助けて〜」

「わかりました、今いきます」

あと少しで仕事が完了ってときに。


「3階にいってきます」


いってらっしゃいと二人に見送られ、3階へと駆け足で向かった。