「これで大丈夫です」
自分で処理しようと頑張っただろうが結局うまくできずに顔を引きつらせていた渡瀬先輩だったが、うまくデータが反映されたことを確認すると、ほっとしたようで安心した顔をしていた。
「いっつもいっつもこんなダメ先輩でごめんな。有沢」
「大丈夫ですよ。これぐらい」
そういいながら、有沢やさしいなあ、と渡瀬先輩が頭を撫でてくれている。
恥ずかしいですよ、と照れているところにお盆に何かを乗せて運ぶ真鍋先輩がこちらへとやってきた。
「はい、二人とも三時のおやつ。桃の木製菓店のおせんべい。ここの和菓子美味しいんだけど、有沢さん、甘いの苦手でしょう。おせんべいも置いてあるから買ってきたの」
「あ、ありがとうございます」
「お茶も置いておくわね」
うふふ、と上品に笑いながら真鍋先輩はカップに注がれたお茶とおせんべいを出してくれた。
「仕事ばっかりじゃあ、頭が凝りそうになるから、気分転換なつもりで下の階に来てね」
と、真鍋先輩もおせんべいを食べながらも、やっぱりうふふという笑い声とともにやさしい笑顔を絶やしていなかった。
やれやれトラブルも無事、回避できたところでと思い、ようやく上の階に上がったところ、ドアの前でシンちゃんが壁を背にして立っていた。
「お、おつかれさまです」
「おつかれ」
そういってドアを開けようと手を伸ばした瞬間、シンちゃんの大きな手がわたしの手首をつかんだ。
「ちょ、ちょっと、あの」
「大きな声をあげると、気づかれるぞ」
顔をあげると、シンちゃんはわたしの心の中まで見通しそうなまっすな視線をおろしている。
家でみせる、艶やかな顔へと変化していた。
自分で処理しようと頑張っただろうが結局うまくできずに顔を引きつらせていた渡瀬先輩だったが、うまくデータが反映されたことを確認すると、ほっとしたようで安心した顔をしていた。
「いっつもいっつもこんなダメ先輩でごめんな。有沢」
「大丈夫ですよ。これぐらい」
そういいながら、有沢やさしいなあ、と渡瀬先輩が頭を撫でてくれている。
恥ずかしいですよ、と照れているところにお盆に何かを乗せて運ぶ真鍋先輩がこちらへとやってきた。
「はい、二人とも三時のおやつ。桃の木製菓店のおせんべい。ここの和菓子美味しいんだけど、有沢さん、甘いの苦手でしょう。おせんべいも置いてあるから買ってきたの」
「あ、ありがとうございます」
「お茶も置いておくわね」
うふふ、と上品に笑いながら真鍋先輩はカップに注がれたお茶とおせんべいを出してくれた。
「仕事ばっかりじゃあ、頭が凝りそうになるから、気分転換なつもりで下の階に来てね」
と、真鍋先輩もおせんべいを食べながらも、やっぱりうふふという笑い声とともにやさしい笑顔を絶やしていなかった。
やれやれトラブルも無事、回避できたところでと思い、ようやく上の階に上がったところ、ドアの前でシンちゃんが壁を背にして立っていた。
「お、おつかれさまです」
「おつかれ」
そういってドアを開けようと手を伸ばした瞬間、シンちゃんの大きな手がわたしの手首をつかんだ。
「ちょ、ちょっと、あの」
「大きな声をあげると、気づかれるぞ」
顔をあげると、シンちゃんはわたしの心の中まで見通しそうなまっすな視線をおろしている。
家でみせる、艶やかな顔へと変化していた。

