計画的俺様上司の機密事項

どうしてわたしばっかり、と頭をもたげながら、仕方なく下の階へ行くと、真鍋先輩と渡瀬先輩がお出迎えしてくれた。


「お、有沢来たか。待ってたぞ」


「ごめんなさいね、引き止めちゃって」


「あ、いいですよ。で、どの作業でしょう」


「じゃあ、このデータを流し込んでくれないか」


と渡瀬先輩から来月号の情報誌の見本とデータを教えてもらい、ウェブページを作成していった。


「有沢さん、さすがね」


「いえ、仕事ですから」


「有沢はウチの部の誇りだよ」


「本当、いないと困る人材なんだから、有沢さんは」


と、終始先輩たちにおだてられながら、それも策略のうちだとわかっていながらも気持ち良く仕事を進めてくれる先輩たちに逆に感謝した。

結局、最後まで付き合うことになり気がつけば21時をまわっている。

ヘトヘトになりながら、自分の机に戻り、メールが届いていないかチェックをすると、《*arikaho*》さんから返事が届いていた。



有沢夏穂様

はじめまして、《*arikaho*》です。
いろんなサーキュレーションメディアのサイトに執筆すること、楽しみにしています。
よろしくお願いします。

《*arikaho*》


あの人気ブロガーからビジネスとはいえ、返事をもらえるなんて。

下の階で細かい作業をして疲れていたけれど、そんな疲れも吹っ飛びそうになる。

明日もガンバらなくっちゃ、と思いながら、自宅へ戻った。