計画的俺様上司の機密事項

自分の席に戻り、社内掲示板をチェックする。

わたしの名前の下には、同じくもう一人、新部署のメンバーの名前が載っていた。

野上正育(のがみまさいく)。

わたしと同じ入社の男性社員だ。

入社式で新入社員代表の挨拶を務めたのが野上くんだった。

研修の班が一緒でリーダーシップをとる存在感ある人だからいつも周りに人が集まっていた。

研修中の課題も野上くんのおかげで楽々パスできた。

野上くんは新入社員の女性社員からも先輩女性社員からもアツい視線が注がれていた。

こげ茶色の短髪は地毛で、肌の色は白く、眉毛もちょうどいい太さ、目は切れ長で二重、しゅっとした鼻筋に、血色のよくちょうどいい厚みのある唇。

身長も高く、細いのに流通部門から届けられた情報誌がたくさん詰まったダンボール箱を軽々と持ち上げてしまう、力持ち。

誰にでも丁寧で優しい雰囲気は自然と会社に馴染むのは当たり前だった。

そんな彼は総務推進部へと所属することになった。


「僕はどこでもよかったんだけどね」


といいながら、言葉の端々に自信みなぎる力強さを秘めていた。

頭もキレたそんな彼が選ばれ、どうしてわたしが選ばれたんだろうと不思議に感じた。