計画的俺様上司の機密事項

グダグダやっていると、1時間のお昼休憩がなくなりそうになる。

急いでお弁当を食べるけど、シンちゃんのつくるおかずが美味しくてゆっくり味わってしまう。

すると、野上くんはすでにご飯を食べ終えたのか、コンビニ袋に食べ終えたお弁当を入れていた。


「別枠の特集、考えてる?」


「え、うーん」


「女性がターゲットだったら、やっぱりスイーツ関係とか、生活に役立つものを取り込んでいくってどうかな?」


「え、そうだね」


「有沢さんが食いついてくるかと思ったんだけど」


「え、ええ。も、もちろんだよ」


「だよね。さすがにホームセンター特集とか、電車とか車の特集じゃ華やかじゃないし」


うっ、と一瞬喉がつまりそうになる。

わたしだったら、真っ先にその記事を読ませていただきます、と言いたくなる。


「で、でも中にはそういう趣味の人とかいない?」


「そうかなあ。かわいいもの好きだったりしないのかな」


「う、うん。そ、そうだよねえ」


ここにいますよ、ごっついプラモとか、年代物の電車とかホームセンターの奥深くにある木材コーナーとか、精密な道具とか揃っているのが好きですよ。


「知り合いにお菓子屋さんいるから聞いてみようかな」


野上くんが目を輝かせている。

わたしは、まだホームセンターの奥深くのマニアックなコーナーをうろうろと徘徊している空想をしているというのに。


「有沢さん、よかったら、一緒に取材してみない?」


「え、だって野上くんの知り合いだって」


「一人の意見じゃなくて、もう一人の意見も聞きたいんだよ。有沢さんがいてくれたら心強いかな、って」


「え、でも」


「同期のよしみだと思って、ね」


野上くんは小首を傾げて、かわいらしく同意を求めている。

否定できる空気じゃない。


「う、うん。取材しよっか」


「そういってくれると思ってたんだ。有沢さんと一緒に取材できるんだ。スケジュール立てておくよ」


野上くんの声が嬉しそうに跳ねている。

そんなに喜ばしいことかな、と思いながら、残りの厚焼きたまごを食べた。