計画的俺様上司の機密事項

2枚目は今後サイトを運営する特集素材を探すことだった。

11月は紅葉、12月はクリスマス、1月はお正月と冬グルメ、2月は冬ファッション、3月は春をめぐる小旅行だった。

3枚目には別枠で特集を考えるとあった。

『たとえば、趣味とか』とご丁寧にシンちゃんの手書きだった。

3枚目をめくっているとき、顔をあげたとき、ちょうどシンちゃんと目があう。

一瞬、ニヤっと笑ったのは気のせいか。

ドキっとして書類をしまう。

電車や乗り物系の模型だったり、フィギュアだったり、ドールハウスだったりといった自分の趣味のオンパレードが頭を駆け巡ってしまった。

いかん、いかん。

これはさすがにわたしの趣味の範囲内であって、このサイトの中でひけらかすわけにはいかない。

頭を振って自分を冷静にさせた。

視線をパソコン画面に切り替え、特集素材を考えるべく、いろんなサイトを参考にしながら考えはじめた。

何にしようか考えているうちにお昼になった。

お昼休憩になり、シンちゃんは外へ出て行った。


「ずいぶん強気なんだね」


野上くんがパソコン越しに話しかけてきた。


「そ、そうかな?」


「そんな上司につっかかるイメージなかったから」


「ご、ごめんね。そんなつもりじゃなかったのに」


野上くんは口元に手を当てて、クスクスと軽く笑っていた。