計画的俺様上司の機密事項

「というわけで、早速仕事を始める。野上は来月の特集記事について何本か構想を練ってくれ」


「はい、結城部長」


野上くんは早速パソコンの前に座って、アイデアを練りはじめた。

それを見届けると、シンちゃんは今度はわたしに目をやった。


「で、有沢だけれど」


シンちゃんはわたしの顔をじっと見据えていた。



「……はい」


「有沢は今から3階へ行け」


「え?」


3階へ行けってどういうこと?

これからここで仕事するんじゃないの?


「いいから」


「どうして、ですか」


「今すぐ行ってこい」


シンちゃんは少しイラついた声で返した。


「あの、これがこの部の最初の仕事ですか?」


「有沢にとっておきな仕事が待ってるから」


わかりました、としぶしぶ部屋を出てエレベーターの横にある階段へと進むと、後ろからシンちゃんが後を追いかけてきた。


「何ついてくるんですか」


「3階に用事なんだよ」


ムカっときてしまったけど、ここは会社なのだと心の中で言い聞かせ、3階のインターネットメディア部へと向かう。