計画的俺様上司の機密事項

3階はわたしがいた部署で、5階は会議室、4階は以前は流通部門が使用していた部屋だったが、今は移転したので空いていた。

そこに贅沢に使わせてもらえるなんて、ありがたかった。

といっても資料室のようにワンフロアではなく、半分奥は会議室で必要な机や椅子の予備だったり、保管するタウン誌の資材置き場になっていた。その半分だけど3人机を並べても十分な広さではある。

4階につき、エレベーターを降りてすぐの扉には『ウェブコンテンツ部』の表札が掲げられていた。

机は3つあり、窓際の奥にひとつ、入り口に向かい合わせるように2つ置かれている。

入り口前にはカウンターが置かれ、部屋の両サイドには棚が設置されており、タウン誌が並べられているけれど、空いているスペースが多かった。

右を見ると、いつも見慣れた黒のデスクトップ型パソコンが机の上に置かれている。

左の机はノート型のパソコンが置かれていた。


「金曜日に総務の人たちと引っ越しさせてもらったんだけど」


「ごめん。大変だったよね。ありがとう」


「いいんだよ。これぐらい」


野上くんは照れた表情を浮かべ、頭をかきながら、入って左側に座り、わたしも向かい合わせるようにして座った。

壁にかけられていた時計が始業時間の10時をさした。

自然と胸の高鳴りをおさえきれない。

緊張している自分がいた。

ドアががちゃりと開くと、常務がやってきた。