計画的俺様上司の機密事項

白色の半袖シャツに紺色のネクタイを揺らしながらこちらにやってきた。

朝から野上くんに会えるなんて、ちょっと嬉しかったりもする。

総務推進部はわたしがいた部署より少し早出だったのでなかなか朝会えることがなかった。


「野上くん」


「今日からだね。よろしくね」


切れ長の目でみられた日には1日、何かいいことがありそうな気がする。

野上くんはタイムカードを取り出し、レコーダーに差し込んで元に戻した。

一緒に並んで歩くなんて、朝からドキドキしてしまう。


「うん。こちらこそ」


「結城部長ってどういう感じの人なんだろうね」


野上くんは、小首を傾げながら、穏やかに話す。

野上くんにも中身はエロいおやじなんだよ、と喉まできたけれど、やめておく。


「ど、どうなんだろうね。いい部長だといいよね」


「それよりも僕は有沢さんと一緒でうれしいんだ」


そういって、野上くんはニコっとさわやかな笑顔をふりまいてくれる。


「え?」


「まあいいや。今日からよろしく頼むよ」


一瞬特別な表情を浮かべていたのは気のせいだろうか。

まずは新しい部署へ向かわないと。

エレベーターに野上くんと一緒に乗って5階に向かうことにした。