計画的俺様上司の機密事項

「ちょ、ちょっとシンちゃん、鼻息荒いっていってましたけど、シンちゃんだって」


「だってさ、輸入食材がこんだけあるんだ。興奮しないわけないだろ。ああ、このスパイス、前から欲しかったんだよ」


そういって、シンちゃんが向かった場所、地下のスーパーだけど、地元の食材の売り場と輸入食材のお店が並んでいた。


どのお店もシンちゃんが飛びつきそうな食材が並んでいる。

モデル並みな格好をしているからか、品定めをしているシンちゃんは絵になるらしく、買い物をしていた若いお母さんや娘さんたちが、あの人かっこいいねえ、と黄色い声をあげながらしきりにつぶやいていた。


「しかも安いし、いいなあ、ここは」


といって、買い物かごを手に取ると、野菜やらスパイス、お肉にお魚を入れていく。

重くなった買い物かごをレジに持って行き、会計をすませると両手いっぱいの買い物袋をぶらさげてスーパーを出た。


「何か大量に買ってしまったな。しかも、結局は夏穂にまで荷物持たせちゃったし」


「いいんですよ。楽しめたし、意外と筋力あるんで」


といって、シンちゃんの荷物を半分持って家まで歩いた。

荷物は重かったけど、シンちゃんと並んでたわいもない話をしながら一緒に歩けて楽しかった。


「お疲れ」


自宅に戻り、居間にいき、たくさんの買い物袋や紙袋でテーブルいっぱいになった。


「そこ片付けて夕飯にするから」


「シンちゃん、疲れてないの?」


「疲れないよ。夏穂と一緒だったからな」


そういって、シンちゃんはニコっと笑いかけてくれた。


「たくさん荷物持ってくれたから、力持ちの夏穂おじさんには感謝してます」


「なにそれっ! おじさんじゃないしっ」


「ほら、買った荷物持って部屋でゆっくりしてろ」


がはは、と大きく笑いながら、シンちゃんはテーブルに置かれた買い物袋を台所へと運んで冷蔵庫に食材をしまいはじめた。

せっかく胸がキュンとなったのに、シンちゃんのギャグにはついていけないな、と思いながら買ってもらった洋服の紙袋を持って自分の部屋へと持っていった。