計画的俺様上司の機密事項

駅の通りを南に挟んだところに、最近になって大型商業施設ができた。

駅から遊歩道を伝っていけば楽にいけるということもあり、最近のデートスポットになっていると、やっぱりウチの情報誌で特集を組んでいた。

地上6階、地下4階の建物だった。

地下4階は地下鉄の駅があるので、利便性に富んだ商業施設になっていた。

その3階の雑貨の階に向かう。

すでに大人よりも子供のほうが多いこの場所の奥に子供よりも大人が吸い寄せられる場所があった。

駅のホームに線路が4つ。思い思いの列車が野を越え、山を越え、トンネルを越えてまた駅のホームに戻ってくる。

鉄道模型専門店だった。

隣には木製のオブジェがあり、目をこらすとどうやらドールハウスが軒を連ねている。

さらにその隣にはプラモデルの箱が大量に陳列されていた。


「すごいっ!」


「ほら、夏穂。最近できたホビー専門店だ」


「え、シンちゃん」


「みてこいよ」


「あ、ありがとう」


ああ、なんて素敵な場所なんだ、ここは。


ガラスケースにはいつも行く模型屋とは全く違う新型車両だったり、特別仕様の列車だったりでまさに夢の中にいるようだ。


「服屋のときとは全然顔違ってたぞ」


「だってこっちのほうが面白いし」


といって、シンちゃんをよそにいろんな列車やジオラマをみては、嬉しすぎて鳥肌がたっていた。

さすがに隣にいるシンちゃんも飽きてきたので、隣のドールハウス専門店へと足を運ぶ。

初心者からビギナーまで作れる材料が並べられている。


「あー、ダメになりそうです」


「もうダメになってんじゃん」


シンちゃんは呆れながらわたしの姿をみて笑っている。