計画的俺様上司の機密事項

そのあともハンバーグが出てきたり、キッシュだったり、具沢山のクリームスープだったりと、ボリューム満点だけど、昔から愛されているからこそのやさしい味なのか、胃もたれすることもなく、すいすい口に運んでしまう。


「ここのメシ、オレの料理ぐらいうまい」


「なにそれ。普通、お店を褒めるんじゃないでしょうか」


「お店に出してもいいレベルの料理出してるってのに。じゃあ、オレがつくったもの食うなよ」


「すみませんでした……。シンちゃんのもこのお店のものもおいしいです」


「よし、それでいい」


中でもシーフードをふんだんに使ったパエリヤは絶品だった。

デザートも飲み物も充実していたし、特に100パーセントジュースもバリエーションが多くてどれを頼んでいいか悩んだぐらいだ。

シンちゃんはアイスコーヒーと洋梨のソルベ、わたしはアイスティーとスイカのゼリーを注文した。


「相変わらず夏穂はなんでもおいしそうに食うなあ」


「感心しないでよ。もう」


「感心するもなにも、楽しいよ」


「えっ」


「こっちの話。さ、残りのデザート食べるか」


外で見るシンちゃんはやっぱりカッコよかった。

そんな人と向かい合わせで外でご飯が食べられるなんて光栄だ。

恋人同士じゃないから、気兼ねなくこうやって話ができるし、ご飯だって食べられる。

そういう距離が一番いいのかもしれない。

だからきっとわたしと同居することに決めたんだろうな。