感動しているところに、シンちゃんが口を挟む。
「夏穂、適当に頼むけどいいか?」
「お願いします」
夏穂はこのメニュー好きかもしれないな、とぶつぶついいながら、店員さんを呼んで注文した。
「うれしそうだな」
「……だってここ一度もいったことないから」
「そうだと思った」
そういってシンちゃんは口を押さえて笑っている。
「どうせこういうところは人生で初めての場所ですよ。もう二度と来れないかと思ってました」
「言わせてもらうけど、オレも初めてなんだけど」
と、シンちゃんもニヤリと笑いながら言い返してきた。
「だって、慣れてるじゃないですか。彼女連れてきたんでしょ?」
「呆れた。考えてみろ。オレ、久々にこの街に帰ってきたんだ。知るわけないだろ」
「え?」
「この店は常務に教えてもらったところだ。まあグルメ本に載ってたけど、大切な子とデートに行く場所だって教えてくれてな」
「大切なって」
「お待たせしました。アボカドのサラダです」
と、ここでいい感じに男性店員さんが割って入るかのように、サラダを持ってこられた。
「ちょ、ちょっと。大切って」
「お腹がすいては戦ができぬってな。ほら、食うぞ」
「ちょ、ちょっとなんなのよ」
そういいながら、木製のトングで器用にサラダを取り分けてくれた。
黙って食べていると、もしゃもしゃ食べながら、このドレッシングは手作りだな、今度作ってみるかな、と首をひねりながら研究熱心なシンちゃんはスマホにメモしていた。
「夏穂、適当に頼むけどいいか?」
「お願いします」
夏穂はこのメニュー好きかもしれないな、とぶつぶついいながら、店員さんを呼んで注文した。
「うれしそうだな」
「……だってここ一度もいったことないから」
「そうだと思った」
そういってシンちゃんは口を押さえて笑っている。
「どうせこういうところは人生で初めての場所ですよ。もう二度と来れないかと思ってました」
「言わせてもらうけど、オレも初めてなんだけど」
と、シンちゃんもニヤリと笑いながら言い返してきた。
「だって、慣れてるじゃないですか。彼女連れてきたんでしょ?」
「呆れた。考えてみろ。オレ、久々にこの街に帰ってきたんだ。知るわけないだろ」
「え?」
「この店は常務に教えてもらったところだ。まあグルメ本に載ってたけど、大切な子とデートに行く場所だって教えてくれてな」
「大切なって」
「お待たせしました。アボカドのサラダです」
と、ここでいい感じに男性店員さんが割って入るかのように、サラダを持ってこられた。
「ちょ、ちょっと。大切って」
「お腹がすいては戦ができぬってな。ほら、食うぞ」
「ちょ、ちょっとなんなのよ」
そういいながら、木製のトングで器用にサラダを取り分けてくれた。
黙って食べていると、もしゃもしゃ食べながら、このドレッシングは手作りだな、今度作ってみるかな、と首をひねりながら研究熱心なシンちゃんはスマホにメモしていた。

