計画的俺様上司の機密事項

家からしばらく歩いた駅周辺の百貨店へと向かっていった。

駅周辺には4つ百貨店がひしめきあっているけれど、地下2階、地上8階建ての百貨店は駅に一番近く、比較的新しい建物のこの百貨店は若者から年配まで楽しめる店づくりをしていて人気だった。

その百貨店に入ると、3階にある婦人服売り場へと向かった。


「え、シンちゃん、ここ紳士服売り場じゃなくて、婦人服売り場だけど」


「だから、なんだ」


「シンちゃんの用事できたわけじゃないの?」


「オレの用事だ。付き合えっていってるだろ」


「……そうだけど」


白色や黒色、灰色を基調としたシンプルな洋服が立ち並ぶ。

アメリカが発祥のお店だが、すぐに日本にお店を構えたところ、そのデザインと価格から爆発的に流行し、あれよあれよと主要都市にお店が誕生するようになった。

若い人から年配の方まで着られる洋服をコンセプトにしたお店だった。


「あら、結城さんじゃない」


「どうも。ご無沙汰しています」


灰色のジャケットに白のインナー。

ジャケットの胸ポケットには店長と名前が入ったネームプレートがつけられている。

ジャケットと同色のパンツに黒のパンプスを履き、黒色の髪の毛はきれいに後ろにまとめた女性が奥からやってきた。


「彼女に見合う洋服を選んでほしいんだけど」


「か、彼女!?」


わたしがでかい声で言い返した。

上品そうな女性の客が次々とわたしを睨みつけるようにみていたので、恥ずかしくなって顔を下げた。


「わかりました。彼女さん、お借りしますね」


「頼んだ」


顔をあげてシンちゃんを睨む。

シンちゃんはこの服も似合いそうだなあ、とわたしのこと、気にしてくれなかった。


「ちょ、ちょっとシンちゃん、彼女って」


「ほら、見合う服、探してこい」


「……もうっ」


しぶしぶ女性店員さんと服を選んだ。