「新しい部署、やっぱりできるみたいね」
9月も中旬になった昼休み、ミーティング用に使うテーブルに先輩たち数人とランチを囲んでいると、わたしの席の隣に座っていた1個上の女性の先輩である真鍋先輩が話した。
「新しい部署、ですか?」
「これからのインターネット事業のありかたについて考えた結果だって」
「どんな部署になるんでしょうか?」
「今のネット事業をもうちょっと枝分かれさせて専門的な部署を作りたいんだって」
「専門的な部署ですか」
専門的な部署、すごく気になる。
でもきっと優秀な人を引き抜いて作業にあたるんだろうなあ。
昼休みが終わり、先輩たちがおもむろに席をたち、はみがきやら化粧を直しに行き始めた頃、同じ部署の先輩、渡瀬先輩が声をかけた。
「辞令が出たみたいよ」
「え?」
「有沢夏穂って、あんたのことじゃない」
わたしは急いで自分の席に戻り、パソコンで社内電子掲示板を立ち上げる。
新規部署の創設のお願いと辞令が載っていた。
「部長、結城真一? 誰だろうね」
真鍋先輩がパソコン画面をのぞきこんできた。
「常務の知り合いとかって聞いたけど」
「結城……真一」
「知ってるの?」
先輩たちが不思議そうにわたしをみてきた。
記憶を掘り起こす。
昔、どこかでみた名前だ。
でも、他人の空似かもしれない。
「いえ。気のせいです」
ちょっと心にひっかかりがあったけれど、気のせいだと思って先輩たちと化粧ポーチを持って化粧室へと向かった。
9月も中旬になった昼休み、ミーティング用に使うテーブルに先輩たち数人とランチを囲んでいると、わたしの席の隣に座っていた1個上の女性の先輩である真鍋先輩が話した。
「新しい部署、ですか?」
「これからのインターネット事業のありかたについて考えた結果だって」
「どんな部署になるんでしょうか?」
「今のネット事業をもうちょっと枝分かれさせて専門的な部署を作りたいんだって」
「専門的な部署ですか」
専門的な部署、すごく気になる。
でもきっと優秀な人を引き抜いて作業にあたるんだろうなあ。
昼休みが終わり、先輩たちがおもむろに席をたち、はみがきやら化粧を直しに行き始めた頃、同じ部署の先輩、渡瀬先輩が声をかけた。
「辞令が出たみたいよ」
「え?」
「有沢夏穂って、あんたのことじゃない」
わたしは急いで自分の席に戻り、パソコンで社内電子掲示板を立ち上げる。
新規部署の創設のお願いと辞令が載っていた。
「部長、結城真一? 誰だろうね」
真鍋先輩がパソコン画面をのぞきこんできた。
「常務の知り合いとかって聞いたけど」
「結城……真一」
「知ってるの?」
先輩たちが不思議そうにわたしをみてきた。
記憶を掘り起こす。
昔、どこかでみた名前だ。
でも、他人の空似かもしれない。
「いえ。気のせいです」
ちょっと心にひっかかりがあったけれど、気のせいだと思って先輩たちと化粧ポーチを持って化粧室へと向かった。

