計画的俺様上司の機密事項

朝ごはんの後片付けを済ませ、シンちゃんは自分の支度をしにいった。

居間でぼんやりとテレビをつけてみる。

週末ということもあり、旅番組がやっていた。

旅行かあ。そういえば旅行といって思い浮かべるのは学生時代にいった卒業旅行以来だったなあ。

ぼけーっとしているところ、気がつけばシンちゃんがわたしの座っているソファの後ろに立っていた。


「温泉旅行か。いいな。婚前旅行するか、夏穂」


「は!? なに馬鹿なこといってるんですかっ」


と後ろを振り返る。

サックスブルーの薄いジャケットに、中には上質な素材の白と黒のストライプTシャツ、黒色のクロップドパンツといった姿だった。

さっきまでTシャツにギャルソンエプロン、デニムパンツというラフな格好だったのに、すっかりどこかのモデルっぽい感じに仕上がっている。


「なに見とれてる? ん? やっぱり婚前旅行にいきたくなったか」


すました顔をしながら、シンちゃんが顔を近づけてくる。

婚前旅行だなんて、まだそんな状況でもなんでもないのに。

恥ずかしくなって全身、火がついたみたいに暑くなった。


「そうじゃないですって。で、出かけるんでしょ」


「夏穂とだったら、温泉も悪くないなあ。考えてみるか」


「だから、温泉じゃなくて、これからでかけるんでしょっ」


「はいはい。朝から元気だこと。さて行きますか」


といってシンちゃんは戸締りをしていく。

温泉かあ、あとで調べるかな、とシンちゃんはつぶやいている。

朝からこんな調子だったら、1日どうなっていくんだろうか、と心配になった。