計画的俺様上司の機密事項

思いもよらない同居だけど、シンちゃんはわたしのこと、どう思ってるんだろう。

同居にかこつけて、襲おうとしてたりして。

でも、そうしたらこの家を出て行くことになるし。

シンちゃんのことはバレないようにしなきゃ。

元に戻せばいいのに、枕元に城の空き箱を置いてそのまま眠ってしまった。

朝になり、スマホのアラームが鳴ると同時に、シンちゃんがまたノックもなしに部屋にやってきた。

相変わらずやってることはお母さんみたいだな、とぼけーっとベッドの上で座っていると、


「ほら、起きねえとキスするぞ、いいのか?」


と、寝ぼけ眼のわたしに向かって顔を近づけそうになったので、あわてて飛び起きた。


「わっ、わかりましたって」


「支度してこい。待ってるから」


昨日の夜のこと、まだ根に持ってるだろうなあ、と気まずくなりながらも、仕事があるので支度をした。

居間に通じる扉を開けると、朝ごはんのいい香りが立ち込めていた。

ポトフと焼きたてのパンと目玉焼きにサラダ、野菜ジュースがテーブルにのっている。


「いただきます……」


「昨日のこともそこそこに食欲だけはありやがるな」


ポトフに口をつけた瞬間、向かい合わせに座ったシンちゃんが頬杖をついてわたしを見ていた。


「……昨夜はすみませんでした」


「ったく、軽々しく抱かれようとするな。まあ、おかげで、城の空箱と一緒に寝てたみたいだから、いいのかな」


そういって、がははとシンちゃんは景気のいい笑い声で笑った。

馬鹿にされたけれど、ポトフがおいしかったから黙って食べていた。