計画的俺様上司の機密事項

「シンちゃん、ありがとう。いろいろしてくれて」

やっぱり優しいシンちゃんだ。

子供の頃と同じ、まっすぐで素直で気持ちを暖かくしてくれる人だ。

私の髪の毛を拭き終えると、シンちゃんはまたいたずらな笑みを浮かべた。


「さてと。じゃあ、風呂入るかな」


「えっ」


「オレだって今日は一日中家のことやって汗かいたんだから、風呂浴びさせてもらってもいいだろう」


「そうだけど……」


「さて、夏穂のエキスたっぷりのお風呂に浸かるかなー」


「シンちゃんっ!」


「冗談。そんな真っ赤な顔して怒るなよ」


オレも鼻歌歌いながら風呂入るかな、といって居間の扉を閉めた。

テーブルにあったグラスを手にして口をつけた。

お水なのに、さっぱりとした飲み心地だった。

ゆっくり水を飲んでソファでくつろいでいると、しばらくして、ああ、さっぱりした、という声とともに居間の扉が開く。

髪の毛を拭きながらシンちゃんが居間へと入ってきた。

風呂上がりの濡れた髪の毛がますます美しさを助長させていた。


「なんだ。物欲しそうな目で。何かしてほしいのか?」


「い、いえ。別に」


「居候の身だからな。いろいろしてあげるぞ」

シンちゃんはノリノリな状態でわたしに迫ってきそうになった。


「って、別にいいですって」


「そっか」


すぐにシンちゃんはあきらめてまた勝手に冷蔵庫を開けた。


「シンちゃん、さっきのお水、おいしかったけど」


「ああ、それ? レモンとライムの水だよ」


そうやって、冷蔵庫から取り出したのはレモンとライムが沈められた水のピッチャーだった。