計画的俺様上司の機密事項

涙があふれてきた。

愛し合うことができたのに、それだけかなえただけで終わりになってしまうんだ。

やっぱりクリスマスは嫌いだ。

好きな人はわたしから離れていってしまうんだ。

涙がおさまらないまま、パジャマから洋服に着替えていると、ガチャンと音がした。

もしかして、と思って涙をぬぐっていると、黒のダウンコートにジーンズ姿のシンちゃんが買い物袋を下げてやってきた。


「夏穂、起きたか。て、何泣いてるんだよ。怖い夢でもみたか」


「シンちゃんのばかっ! どうしていなくなったりしたのよ」


「は? 何寝ぼけたこといってんの。食材が切れてたから買いにいっただけだよ。それにお前、グースカ寝てたから起こしちゃ悪いと思って。黙って家出て悪かったな」


「……別にいいけど」


「お前の前から姿消すわけないだろう。ずっと守るって決めてるんだから」


「わたしが目的を果たしたらシンちゃんに出ていってもらうっていったばっかりに、東京にいっちゃったかと思った」


「ああ、そういうことか。そんなひどい男にみえるか、オレ」


「見えない。けど思い出を残して東京へ行っちゃったかと思って」


「どんだけ妄想しまくるかな。もう泣くな。顔洗ってこい。朝飯作るから」


と、世話がやけるな、とぽんぽんと頭を撫でられると、やさしい笑顔を絶やさぬままシンちゃんが部屋を出ていった。