計画的俺様上司の機密事項

シンちゃんの香りに包まれながらはじめての夜を越えられた。

ずっとこのままでありたい気持ちでいっぱいになる。

いつもよりもずいぶんと眠れたのは、カラダの疲れもあるけれど、安心できた喜びでゆっくりと眠れたのかもしれない。

これでわたしもクリスマスを嫌いにならなくなった。

この日をシンちゃんに捧げた特別な日として大切にしていこうと思う。

カーテンから漏れる太陽の日差しに目を覚ます。


「シンちゃん……。えっ」


シンちゃんの姿はなかった。

昨日のことは夢なのか、とカラダを起こすと、下腹部が少しだけ痛い。

昨日の夜のことは夢ではなかった。

しかも今いるところはシンちゃんの部屋ではなく、自分の部屋のベッドに寝かされている。

新しいパジャマも着せられているし。

ベッドから降りると手縫いで作られたフェルトの赤い靴下が枕元に置かれていた。

中には初めて買い物にいったときに買った2匹の猫の人形に一匹は白色のドレス、もう一匹は白色のタキシードが着せられて入っている。

二匹の猫の人形にぴったりのサイズにつくられたシンちゃんのお手製の洋服だ。

部屋を飛び出し、シンちゃんの部屋へと向かう。

シンちゃんはいない。

部屋のあちこちを探ってみても、シンちゃんはどこにも見当たらなかった。

思いをとげたから、もう姿を消してしまったんだ。

シンちゃんに再会したとき、ここから追い出すっていう変なこといっちゃったばっかりに。

もしかしてそのことを守ったってこと?

常務の言っていた東京へいってしまったんだろうか。

不安が脳裏をかすめていく。

やっぱり覚悟は必要だったんだと嘆いた。