計画的俺様上司の機密事項

シンちゃんとわたしが同居して、さらに両想いだと会社に知れ渡ったとしたら、上司であるシンちゃんに疑いの目にさらされる。

ただでさえ、空き倉庫の件で白い目を向けられたんだから、いろいろと噂になったとしたら上の人間も黙っていられないだろう。

もしかしたら、本当に東京へと転勤させられてしまうかもしれない。

シンちゃんに迷惑かけたくない。

わたしのせいで。


「ちょっと有沢。有沢ってば」


午後になって渡瀬先輩に呼び出されてデータのやり直しをしているところ、渡瀬先輩が声をあげた。


「え、どうかしましたか」


「どうかしたじゃないよ。あんた、ちょっと顔色悪いんじゃない? それに珍しくデータがエラー起こしてるし」


「あら、ホントね。どうしたのかな、有沢さん」


真鍋先輩も駆け寄ってきてくれた。

急いでデータ入力をやり直し、無事に集計を終わらせた。


「い、いや。大丈夫ですって。風邪でもひいたのかな、あはは」


精一杯笑顔をつくってみたけれど、ますます二人の顔色が曇る。


「絶対変だって。何か隠してるんだろ、有沢」


「私たちには言えないこと?」


「いえ、ホントに大丈夫ですから」


「おかしなことに巻き込まれたらちゃんと相談するんだぞ。余計なお節介かもしれないけど」


「そうよ。甘えられるときに甘えないと」


渡瀬先輩と真鍋先輩にはこんな後輩を支えてくれて、さらに心配かけて申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


「そういってもらえて嬉しいです。もし変な噂がたったとしても、わたしはわたしですから」


「なにそれ」


「そっか。渡瀬、様子みよう。ね?」


渡瀬先輩は、ボソッと、わかったよ、と苦渋な顔つきでわたしを見守ってくれていた。

真鍋先輩はわたしの顔をじっと穴があくんじゃないかっていうくらいみていた。