計画的俺様上司の機密事項

「でも、諦めないって言われた」


「はいはい、そうですか、って、で、誰なんだよ、好きな人ってのはよ。もしかして園田ってやつか? まだ好きだとか」


「そうじゃない。園田元部長はもう関係ない」


「じゃあ、誰なんだよ」


低く、うなるようにシンちゃんはこたえた。

黙ってシンちゃんを見る。

見返すようにシンちゃんは睨んでいるけれど、やっぱり凛々しくて、かっこいい。

えらそうにするときも、ちょっとおどけた表情も、お母さんシンちゃんになるときも、ちょっとエッチなシンちゃんも、すべてひっくるめて大好きだ。

もちろん、子供の頃のシンちゃんも。

心臓の鼓動を感じる。

これ以上待たせてはいけない。もう先に進まないと。


「……シンちゃんだよ」


シンちゃんをみつめ、渾身の力を込めて言い切った。


「本当か!」


睨んでいた顔が一変、ぱあっと顔に明かりがともったかのように明るく、誰にでもみせないであろう、最高の笑顔をわたしにくれた。


「子供の頃からずっと好きだった。けど、好きっていう自信がなくて。忘れてた記憶、たどったり久々に会ったシンちゃんをみたら、やっぱり好きなんだって気づいた」


シンちゃんは黙ってうなずいてくれた。


「シンちゃんみたいに家事一般うまくできない。シンちゃんに見合う彼女になれないかもしれない。でも、やっぱり好きだから」


口が渇いてたどたどしくシンちゃんに話をした。

シンちゃんはうんうん、と軽く首を縦に振っている。

お茶を一口含んで、また話を続けた。


「ようやく好きな人に好きだって心から言えてよかった」


人生はじめての告白だ。

でも、このあとの関係が告白によって変わるんだろうな。


「ごめん。なんか。変なこと言っちゃったよね。別に同居を解消しようっていうつもりで言ったわけじゃないから。今から何かギクシャクしちゃうね」


声をかすかに震えさせながら、取り繕うように付け足した。