計画的俺様上司の機密事項

すべてやることをやり終えていてぼんやりとソファに横になっていると、がちゃんと鍵を開ける音がした。

ダイニングのドアを開けると、スーツ姿のシンちゃんが立っていた。

胸の鼓動が高鳴りすぎて、どうしていいかわからなくなった。


「ただいま、夏穂」


「おかえり……シンちゃん」


久々にみるシンちゃんの姿に直視できずにいた。

再開したときとは違ってずいぶん凛々しくみえた。


「どうした? 久々すぎて寂しかったのか? ん?」


「そ、そんなことはないですけど」


シンちゃんの視線を避けつつ、甘くしびれるシンちゃんの声が全身に響く。


「オレはそんなことはあるけどな」


すとん、と心にシンちゃんの声が入ってくる。

シンちゃんの顔をみる。ふはは、と出張から帰って疲れているのにもかかわらず元気に笑うシンちゃんがいた。


「しかし新鮮だな」


シンちゃんは靴を脱ぎ、スリッパにかえながら話を続けた。


「いつもは出迎えてるはずが、今日はこうやって出迎えてもらっているんだから」


シンちゃんはいつも帰ってくるのを待ちわびていたんだと思うだけで幸せな気分になった。


「まあ、オレは待ってるのが性分の人間だから別にいいんだけど。その分、夏穂にはたんまり仕事してもらいまーす」


「もう、シンちゃんったら」


わたしの抗議を無視して、あれ、とシンちゃんはつぶやきながら、鼻をつきだして匂いをかぐそぶりをしている。


「ん? 米の匂いがする。もしかして夏穂、ごはん炊いた?」


「うん。これぐらいはできますって」


「え! 夏穂が? 炊飯器ならまだいいが、フライパンとか焦がしたんじゃねえだろうな。あの道具はな、プロ御用達のけっこう高いやつなんだよ」


帰ってそうそうわたしよりもプライパンが大事なのか。

揃えるのけっこう大変だったんだぞ、とシンちゃんはブーブー怒りながら自分の部屋に荷物を置きに行った。