計画的俺様上司の機密事項

言われるがまま、ダイニングテーブル奥にあるL字型ソファのベランダに近いところに腰掛ける。

座って目の前のテレビをつけ、適当な番組にチャンネルを合わせた。コトンとテーブルにものを置く音がした。


「ほら、飲めよ」


「え?」


白いカップには茶色のお茶がソファの前のテーブルに2つ置かれた。


「ほうじ茶だ、飲めよ」


「何か入っていたりして」


「そうだな。今日の教育する惚れ薬でも入れたかな」


「何それっ」


「嘘だよ、嘘。食後にどうかな、って。夜飲むから、とりあえず他にもカフェインレスのお茶、買っといたから」


そういうと、ダイニングテーブルに近い場所にシンちゃんは座る。


「シンちゃん、すごい」


「何が」


「家事が完璧なんだもん」


「……いいだろ。ほら、お茶冷めるから飲めよ」


「はい……いただきます」


食後にこんなにゆっくりお茶を飲んだのはいつだろう。

シンちゃんの俯いたせつなそうな横顔を横目に香ばしいほうじ茶の味を堪能した。


「夏穂」


「ん? なんですか?」


気がつけば、シンちゃんがカップを持って左隣に座った。


「ついてる」


そういって、唇の下についたご飯粒を長い指でとった。

優しいまなざしに胸がキュンと高鳴った。


「どれだけお子様なんだか」


「お子様ってなんですか」


そういうとシンちゃんはそのご飯粒をぱくっと口に入れた。


「ちょ、ちょっと」


「夏穂の味がする、なんてな」


そういうと、シンちゃんはワハハと笑い飛ばした。