計画的俺様上司の機密事項

階段を駆け下りながら、自分は夢でもみているんじゃないかという気持ちにもっていった。

野上くんがわたしのこと好きだなんて信じられない。

研修のときも確かに話があって楽しかったけれど、同期としての信頼関係のなかでのことだし、魅力的でもない自分を好きになるなんてうまい話すぎる。

3階の部屋について真鍋先輩が他の社員に指示をしていながら動いているのを発見すると声をかけた。


「真鍋先輩、すみません、遅れて」


「あ、有沢さん。いいのよ、ちょっと心配になってね」


野上くんとの一件があってから、真鍋先輩は心配してくれるようになっていた。

わたしの顔をみて、あわてて目をぱちくりとさせた。


「あれ、有沢さん、ちょっと顔色悪いけど、何かあった?」


「い、いいえ。ちょっと寝不足だったのかもしれません。心配かけてごめんなさい」


「有沢さんがいいっていうならいいんだけど。無理しないで上の仕事、急ぎになりそうなら優先してもらってかまわないから」


「スケジュール通りに進んでいるので大丈夫ですから」


「そう。なら、画像処理お願いできる?」


「はい。お願いします」


用意してくれた席に座り、指示された画像の処理を行い、画像を共通のファイルに入れて保存した。

しばらくして、ウェブ版を編集する先輩男性社員がわたしの元にやってきた。


「画像処理やった?」


「は、はい」


「画像が荒いよ。共有ファイルに入れるとき、ちゃんとチェックしないと」


共有ファイルに入れる前に保存していた画像ファイルをチェックする。

確かに画像が鮮明ではなく、荒くぼやけた印象になっている。


「ご、ごめんなさい。今直しますから」


「しっかりやってもらわないと困るんだよ。仕事増やすな」


「はい。申し訳ありませんでした」


ったく、とぼやきながら先輩男性社員は自分の席について処理を行っていた。