計画的俺様上司の機密事項

お母さん、ずっとシンちゃんの秘密を知っていたんだ。

猫のぬいぐるみは、シンちゃんがプレゼントしてくれたんだ。

だから猫のぬいぐるみをなくしてから、シンちゃんは気まずい態度をとっていたのか。

ぎゅっと紫色の風呂敷を抱きかかえ、ダイニングテーブルに置き、風呂敷を解く。

密閉容器にたくさんの煮物が入っていた。

『たくさん作ったから冷凍しときなさいよ』とお母さんからのメッセージが書かれた紙が入っていた。

お母さんのやさしさがたっぷり詰まっている。

見た瞬間、涙がこぼれた。

お母さんからの愛情ももちろんあるけれど、シンちゃんがお母さんにわたしのこと心配していると相談していたことに胸を打たれた。

シンちゃん……。本当にわたしのこと、思っていてくれていたんだ。

涙を拭いて、小さな容器を探して詰め替えて冷蔵庫の中にしまった。

すると、がさっと、シンちゃんの部屋から音がした。

怖くなって、シンちゃんの部屋のドアを開ける。

シンプルな部屋だ。机と椅子、ベッドがあってきれいに整えられている。

窓際に設置された机の上に置かれた資料が床に散乱していた。

クリアファイルやバインダーが散乱していて、それを机に戻そうとした。

プリントアウトされた資料はウチにあるシャンプーやボディソープについての内容文や商品画像が目につく。


「シンちゃん、急いで出ていったから。あっ……」


資料にまぎれこんでいたのは、どこかで読んだ文章の手書きの紙だった。

まさか、これは。

みなかったことにして、ファイルや資料の入ったバインダーをそっと机の上に戻した。