計画的俺様上司の機密事項

「いえ、元はといえばわたしが行動したのが悪かったことです」


そうわたしが告げ、頭をさげる。

常務は目を見開いてから、ああそういうことか、と笑い飛ばした。


「そんなこともあったな。そうじゃなくて、9階の掃除、率先してやってくれたんだろう?」


「え、ええ」


常務は9階の部屋を見渡しながら話した。

率先ってことはないけど、シンちゃんに強制的に掃除をやらされていたっていう事実なんだけども。


「以前からこの空間はもったいないな、と社長と話をしていてね。結城にもそれとなく話したら、部下の有沢が何か考えているみたいですよ、っていってくれてたんだ」


「そうですか……」


「それで、いい案はあるのかね?」


いい案か。

掃除をしながら、ふと考えついていたことを口にした。


「会社の人とオープンになれる場所をつくるっていうのはどうでしょう。立派な中庭は誰も見ることはできなくてもったいないので。お昼だけでも社内のオープンカフェ的なものを作ってみるとかどうですか?」


おお、なるほど、と常務は納得したようでウンウンと頷いていた。


「ウチの会社に似合いそうな感じだね。オープンカフェか。ケータリングを呼んで社内交流として食事会をするのもいいね。ウチの会社発で企業の新メニューの開発もできそうだ。早速検討させてもらうよ」


「ありがとうございます」


「さすが、結城が見込んだだけあるよ」


「そ、そんな」


シンちゃんがわたしのこと、常務にどう説明したのか気になるところだ。


「具体的な案は結城と相談して決めていこう。仕事中、席をはずしてすまなかったね。もう戻ってもいいよ」


と常務に促されたが、ふと頭によぎり、


「あ、あの常務、お聞きしたいことがあります」


常務は構えるようにわたしを見据えていた。