計画的俺様上司の機密事項

11月も終わりを迎えた。

3階の仕事と4階の仕事と両立して1週間が経つ。

野上くんとは朝会って挨拶するぐらいで3階に降りるからそれ以来あまり顔をあわせることが少なくなった。

先輩たちに囲まれながらの仕事はやりがいがあった。

いろいろとアドバイスをもらいながらみんなとともに一つのものを作りあげていくこの感じを忘れていた。

4階の仕事には似たような仕事なのに、一丸としての強みがまったく感じられていなかった、と痛感する。

シンちゃんに報告しなくちゃ。

プライベートは、一人での生活も慣れてきたというより、今まで一人でやってきていたから当然なのに、やっぱり帰ったときも、朝起きたときもシンちゃんの顔がみられなくて寂しい気持ちのほうが勝っていた。

気づけばシンちゃんのことを思うわたしがいた。

今頃、何をしているんだろう。

お昼を食べ終え、ちょうど眠気を誘う15時をすぎた頃だ。

真鍋先輩が内線をとっていて、こわばった顔つきで受話器を置いた。


「有沢さん、常務がお呼びよ」


「常務が?」


「例の噂のことかな」


「まさか」


急に不安になる。

シンちゃんとのことでのわたしの処分が下るんだろうか。


「9階に来てほしいって」


「……わかりました」


二人ともわたしの顔をみながら、不安げな顔をしていた。

エレベーター前のドアをノックすると、奥からどうぞ、と声がしたのでドアを開けた。

常務が部屋の中央に立っていた。


「有沢くん、急に呼び出してすまんね」


「いいえ、常務」


「結城からいろいろ聞いているよ。今回は大変だったな」


常務は腕を組みながら淡々と言葉にした。

次に出る言葉はセクハラ騒動についてか、と身を引き締めた。