計画的俺様上司の機密事項

午後からは原稿の記事データのウェブ版用に投稿したり、アンケートの集計を行った。

すべての作業が終わると、『シェアキュレ』の仕事もあるので真鍋先輩に断りを入れる。


「上にいって大丈夫?」


と心配されたけれど、何かあったら連絡しますから、といって4階に戻った。

定時が過ぎていたので、もしかしたら野上くんがいるんじゃないかとビクつきながらドアを開けると、シンと静まりかえっていた。

野上くんの机をみると、きれいに片付けられていたのでもう帰ったのか、と安心した。

外部スタッフの記事の確認をする。

外部スタッフとともに《*arikaho*》さんからのメールが届いており、多くの記事を寄せてくれていた。

わたしも頑張らないと、と気合いを入れつつ、記事作成と画像処理を行った。


「ただいま」


部屋の中が真っ暗で静かだ。

いつもなら、シンちゃんがダイニングから玄関まで駆け寄ってきてくれるんだけれど、いるわけはない。

暗いまま、自分の部屋へ荷物を置き、ダイニングへと向かう。

部屋の明かりをつけ、冷え切った部屋を暖めるべく暖房を入れた。

なんだかいつもより家の中が寒かった。

そっか、シンちゃんがいないからか。

一人、台所に立ち、冷蔵庫の中をみる。シンちゃんが作り置きしてくれた密閉容器を取り出す。

皿に盛り、電子レンジで温めなおした。

ダイニングテーブルに座り、食べ始める。

向かいにはいつもシンちゃんが笑ってわたしを見つめてくれていた。

今まで一人が当たり前だったのに。

暖房をつけているはずなのに、なぜか冷たい空気がわたしの体の中を通り抜けていた。

気にせず部屋で作りかけの模型を組み立てる。

ようやく趣味に没頭できると息巻いていた。

けれど、集中できず、一向に先へと進まない。

途中であきらめて箱に戻した。

何をしていてもシンちゃんのことを考えてしまう自分がいる。

これがシンちゃんの言う教育ってやつなの?

胸がきゅ、と苦しくなった。