計画的俺様上司の機密事項

3階に戻ると、真鍋先輩と渡瀬先輩はすでに持ってきたお弁当やパンをかじっているところだった。

ミーティングに使用する大きなテーブルに他の社員の人にまぎれるように二人並んで座っている。

ここ座りな、と渡瀬先輩と渡瀬先輩の間にひとつ椅子を開けておいてくれた。


「有沢さんの分のお茶、いれといたわよ」


「ありがとうございます」


水色のマグカップにいれられたお茶をいただく。冷え切った体に温かなお茶はありがたい。

シンちゃんがお茶をいれてくれたことを思い出し、身も心も暖かさでしみた。

ガサガサとコンビニ袋をテーブルに乗せ、中からおにぎりを出した。


「今日はお弁当じゃないんだな」


ちらりと横目でみながら渡瀬先輩はパンをかじりながらいう。


「え、まあ」


シンちゃんが同居してお弁当になったときもびっくりしていたなあ、と思い出し笑いしてしまった。


「こうやってのんびり三人で昼休みを過ごすなんて久しぶりね」


「ホントだな」


そういって渡瀬先輩も真鍋先輩も以前過ごしたようにネットでの話題の話だったり、最近の流行の話だったりを話してくれて、場が和んだ。

昼休みの終盤になって、真鍋先輩が話を振ってきた。


「あ、そうそう、『シェアキュレ』けっこう好評みたいね」


「ありがとうございます。そういってもらえてうれしいです」


「ウチの友達も活用してるってさ。これが地方発っていうところがすごいよね。東京にいっても通用するんじゃないかな」


「東京……」


シンちゃんは売り込みに出ているのか。そのまま、帰ってこなかったりして。

ぼんやりと考え事にふけっていると、渡瀬先輩と真鍋先輩はそろってわたしの顔を凝視したので、肩をびくっと震わせた。


「有沢さん、暗い顔して、どうかした?」


「何でもないです」


「さて、昼休みも終わるから急がないとな。有沢、校正終わったら、データに流し込む作業、お願い」


「わかりました」


おにぎりをかじる。

確かにおいしいんだけれど、どこか味気なかったけれど、おにぎりを2つ食べ終えて、先輩たちとともに化粧室で支度をしつつ、午後から仕事を再開した。