計画的俺様上司の機密事項

夕食後、シンちゃんは居間や自分の部屋を往復しながら、あわただしく出張の支度をすませていた。

それでも次の日の朝、いつものようにわたしを起こしてくれて、つくってくれた朝ごはんを一緒に食べた。


「オレの顔みれなくてせいせいしてるって思ってるんだろうけど」


「……そんなことは、あるかなっ。もともとわたしのウチなんだし、のんびり一人の生活を楽しもうっと」


どうして寂しいって言えないんだろう。

つい、いつもの癖で強気になってしまう。

それを見てシンちゃんは、がはは、と威勢のいい笑い声を発した。


「ほら、本音が出た」


「べ、別に寂しくなんか、ないし」


「そうだよな。ここはオレの家じゃなくて夏穂の家なんだもんな。邪魔ものはしばらく退散しますよ」


「邪魔じゃないって!」


「おっと、素直になってきたな。教育のしがいがある」


シンちゃんは垂れ目になりながら、ニヤニヤと間抜けに笑っている。


「な、何いってんのっ!」


「夏穂のふてくされた顔をみられたということで、さて出かける準備してこよっと。食器片付けられなくて悪いけど、よろしく頼むな」


「それぐらいちゃんとできますって!」


朝ごはんを食べ終え、わたしとシンちゃんの分の食器を片付けていると、スーツ姿のシンちゃんが台所に現れた。


「その洗剤、手荒れしないやつだから安心して使え」


「わかったって。……いってらっしゃい」


「おう。いってきます」


シンちゃんはそういうと、ほっぺにキスした。

朝から胸がどきん、と高鳴った。