計画的俺様上司の機密事項

行く先々のお店にはすでにクリスマスツリーやリースがお店の入り口に飾りつけられ、赤や緑、青色や白色のランプが点滅していた。

来月はクリスマスシーズンか。

クリスマスの時期は毎年、決まって気持ちが沈んでいた。

子供の頃、ウチでクリスマス会をする予定でシンちゃんを呼んだのに、何も告げずにシンちゃんはわたしの前から姿を消した日だったから。

帰宅すると、ギャルソンエプロンをしたシンちゃんのあどけない姿で玄関先までやってきてくれて、じんときてしまった。


「シンちゃん」


「悪かったな、いろいろ」


「わたしのせいで、本当にごめん」


「怖い思いしたんだから、しかたないことだ。監督者としてのオレに責任はある」


「そんな……」


苦しく、いたたまれなくなって下唇をかむ。

それをみたシンちゃんは変な顔、やめろよ、とおどけてくれたので、下唇をかむのをやめた。


「暗い顔するなよ。腹が減ったら気持ちも暗くなる。まず飯にしよう」


先にいってるぞ、とシンちゃんは告げてダイニングに消えた。

荷物を自分の部屋に置き、夕飯を食べにダイニングへいった。

テーブルには、たらとキノコのホイル焼きにひじきの煮物、きんぴらごぼうにかぼちゃのサラダ、油揚げとワカメのお味噌汁に玄米ご飯が並んでいる。


「2週間近く家を開けることになる。ちゃんと戸締りしろ。夕飯は冷蔵庫の中に作り置きしてあるから、しばらくはそれを食え。おまえは余計なことは考えるな。いいな?」


「うん。わかった」


「ならよし」


しばらく夏穂と食事ができなくてつらいな、とポツリとつぶやきながら、シンちゃんはホイル焼きのたらを食べていた。