計画的俺様上司の機密事項

すでに定時はすぎていた。

シンちゃんは自分の机の周りを片付けはじめたり、資料となる本を棚からとってきたりと忙しそうだ。

自分でつくったであろう書類をプリントアウトし、何度かチェックしてきれいにまとめてクリアファイルに入れていた。

ようやく落ち着いたのか、シンちゃんはこちらに顔をむける。


「二人に話がある。しばらくの間、出張することになった」


「え、そうなんですか」


野上くんがシンちゃんの言葉にほくそ笑んだ。

もしかして、緊急会議ってわたしとシンちゃんのことで呼び出しされて、さっきまでずっと詰問されて、最終的に出張としてこの部を一定期間離れるってことなのかな。


「何かあったら連絡を頼む。もう作業の流れはできているから安心して作業してくれていい。下の階にも伝えてあるが、下の部とも連携して進めてくれ」


シンちゃんがつくった書類の入ったクリアファイルや資料の本をカバンに詰め込んでいた。


「結城部長、それだけですか?」


「それだけ、ってどういうことだ、野上」


「緊急会議がありましたが、どういう内容か知りたくなったので」


野上くんは自信たっぷりにシンちゃんに言い張った。


「野上の想像通りでかまわない。いろいろと迷惑かけたな。悪かったな、野上」


シンちゃんは野上くんに穏やかな口調で言い聞かせた。

それを聞いて野上くんはしかめっ面になる。


「出張、気をつけていってきてください。有沢さんとうまくやっていきますからご安心を」


「ああ。頼んだ」


わたしには何か話すのか、と思ったら、シンちゃんはやんわりとお先に失礼します、とカバンを持って帰っていってしまった。