計画的俺様上司の機密事項

「お、お風呂入るから」


「カラダ、しっかりあたたまってこいよ」


ぽんぽん、と軽く肩を叩かれる。

ドキドキと胸を高ぶさせつつ、シンちゃんに顔を背けるようにしてお風呂へといった。

切れていたボディーソープがアロマオイル配合のものに変わっていた。

そういえば、このボディーソープも《*arikaho*》さんお気に入りのものだったなあ。

みかんの香りがする緑色のお風呂に浸かる。

ちょうどいい温度に冷え切ったカラダが次第に温まってきた。

そういえば、猫のぬいぐるみは誰にもらったんだろう。

それに、おわんの山のときに猫のぬいぐるみがなくなったんだった。

結局、お母さんと探したけれど見つからないまま、おわんの山はわたしが怪我をしたこともあってあぶないからといって誰も遊ばなくなったし、老朽化の問題で取り壊されてしまったんだけど。

おわんの山が消えた頃、すでにシンちゃんはこの街からいなくなったんだった。

お風呂から出たときも心配して廊下でシンちゃんは待っていてくれた。


「眠れなかったら言えよ。一緒に寝てやろうか?」


「だ、大丈夫だってば。そうやってわたしを狙おうとする気?」


「そうだよ、っていってほしいのか? ん?」


そういうと、シンちゃんはヘラヘラした顔を近づけてきた。


「もういいってばっ。明日のあるんだから、シンちゃんもしっかり休んでよ」


「心配で眠れないけど、夏穂がそういうなら従うよ」


ふっ、とシンちゃんはやさしい目をして笑ってくれた。

部屋を開けるとハーブのいい香りがする。


「ラベンダーのアロマの香りを枕にスプレーしておいた。これで少しはゆっくり眠れるだろ」


「ありがとう。おやすみ」


ベッドにもぐりこむと、シンちゃんの心遣いとラベンダーのいい香りに安らぎを感じながら、眠りについた。