計画的俺様上司の機密事項

「で、どうしてこんなところにいたんだよ。さすがにかくれんぼってわけじゃねえか」


シンちゃんに抱きしめられ、さらに今まで着ていたシンちゃんのぬくもりがダウンジャケットから伝わってくる。

安心しきっていると、シンちゃんの顔が近いことに気がついて急に恥ずかしくなった。


「だ、だから、シンちゃんがここを掃除しろって」


「オレが? 今まで頼んだのは9階だけだ。この階はまだ具体的にどう利用するか検討中だった。ドアノブが壊れてるこんな薄汚い空き倉庫にお前を閉じ込めるわけねえだろ」


「……そうだけど、野上くんが」


「野上が?」


廊下からバタバタと足音を響かせて近づいてくる。

シンちゃんの肩越しから見覚えのあるシルエットを捉えた。


「有沢さん!」


野上くんが走ってこちらへやってきた。

わたしとシンちゃんがいることを知ると途端に入り口で立ち止まった。


「あ、結城部長。有沢さんと何をしてるんですか!」


「みりゃあわかるだろ。助けにきたんだよ」


「有沢さん、泣いてるじゃないですか。助けにきたからってそんなことしますか? セクハラですよ。セクハラ!」


シンちゃんはわたしから離れて立ち上がって、野上くんの前に向かった。


「確かにこうして抱きしめてりゃあ、セクハラにみえるのは仕方ないけどな。だからって、冗談いってる場合じゃねえよ」


シンちゃんの言葉に野上くんは目を鋭くした。


「泣いてるのは違うの。それより、野上くん、一体これはどういうこと?」