「誰か! ここから出して!」
足音がドアに近づき、何度かドアを開けようとしたけれどなかなか開かなくて、そこから離れて待ってろと外から声がしたので、部屋の奥へと進んだ。
足音が遠ざかり、もしかしてもうこちらに来ないのでは、と最悪のことばかり考えていた。
また足音が近づいて、ガチャガチャと金属の音がして、ようやくドアが開いた。
目の前にはダウンジャケットにジーンズ姿のシンちゃんが立っていた。
シンちゃんの姿をみただけで体の力が抜けて、その場にしゃがみこんだ。
「夏穂!」
「……シンちゃん」
「大丈夫か、って泣いてるじゃねえかよ」
「……うん」
シンちゃんの姿をみて、涙があふれてしまった。
子供の頃もシンちゃんの顔をみた瞬間に泣いてしまったのを思い出す。
「近くのビルでボヤ騒ぎがあって、会社の連中が避難指示が出たって聞いてな。帰りが遅いから夏穂に連絡とったけど、まったく連絡つかねえし。会社にいるんじゃないかと思って避難指示が解かれて戻ってきた。ここにいたのか。どうして」
「だって、シンちゃんが」
「ん? オレが? まあいい。怖かったろう。寒かったろう」
シンちゃんは自分の着ていたダウンジャケットを体にかけてくれて、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「無事でよかった」
子供の頃と同じ言葉だ。子供の頃は抱きしめてこなかったけれど、あの頃は、シンちゃんのやさしい声で、抱きしめてもらえるぐらいの強い安心をもらえたんだった。
足音がドアに近づき、何度かドアを開けようとしたけれどなかなか開かなくて、そこから離れて待ってろと外から声がしたので、部屋の奥へと進んだ。
足音が遠ざかり、もしかしてもうこちらに来ないのでは、と最悪のことばかり考えていた。
また足音が近づいて、ガチャガチャと金属の音がして、ようやくドアが開いた。
目の前にはダウンジャケットにジーンズ姿のシンちゃんが立っていた。
シンちゃんの姿をみただけで体の力が抜けて、その場にしゃがみこんだ。
「夏穂!」
「……シンちゃん」
「大丈夫か、って泣いてるじゃねえかよ」
「……うん」
シンちゃんの姿をみて、涙があふれてしまった。
子供の頃もシンちゃんの顔をみた瞬間に泣いてしまったのを思い出す。
「近くのビルでボヤ騒ぎがあって、会社の連中が避難指示が出たって聞いてな。帰りが遅いから夏穂に連絡とったけど、まったく連絡つかねえし。会社にいるんじゃないかと思って避難指示が解かれて戻ってきた。ここにいたのか。どうして」
「だって、シンちゃんが」
「ん? オレが? まあいい。怖かったろう。寒かったろう」
シンちゃんは自分の着ていたダウンジャケットを体にかけてくれて、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「無事でよかった」
子供の頃と同じ言葉だ。子供の頃は抱きしめてこなかったけれど、あの頃は、シンちゃんのやさしい声で、抱きしめてもらえるぐらいの強い安心をもらえたんだった。

