計画的俺様上司の機密事項

窓の外の街灯の明かりを頼りにホコリをかぶった積み重なっていた椅子を一脚出してその場に座る。

きゅっと、体をこわばらせた。

一階の警備員さんは下の警備のみだから巡回してくれることもないだろうし、明日になれば誰かが助けにきてくれるんだろうな。

シンちゃんの夕飯、今日はなんだろう。

こんなときに、のんきに夕飯のことを考えるだなんて。

きっといろいろとこしらえて待っていてくれてるんだろうか。

食べられなかったって怒られるのかな。

そうしているうちに、窓の外からサイレンのけたたましい音が聞こえてきた。

椅子から立ち上がり、窓から下をのぞくと消防車が止まっている。

隣のビルから黒い煙がもうもうと立ちのぼって風に乗ってこのビルへと流れてきている。

もしかして、この会社のビルももしかして火が移ってくるんだろうか。

今、連絡できるツールはもちろん持っていない。

避難経路をちゃんと確認するべきだった。

部屋の奥には非常口はあるものの、いらなくなった机や椅子でなかなかそこまでたどり着けない。

ぞくっと背筋がまた寒くなった。


「誰か! 誰かここから出して! お願い!」


助けを呼ぶために大声で叫びながら、入り口の扉を体当たりしつつ、ドアノブを一生懸命ガチャガチャと回してみても開かない。

次第に涙があふれてきた。

怖い。暗くて寒くて、心細い。

子供の頃みたいに、もしこのまま誰も迎えにきてくれなかったら、どうしよう。

シンちゃん……助けて!


「お願い! 誰か、助けて!」


渾身の力を振り絞り、両手でドアを叩く。

すると、ドアの外の廊下からこちらへ走ってくる足音が聞こえてきた。