計画的俺様上司の機密事項

こういうこと、そういえばあった気がした。

パチンと頭の中で何かがはじけたようだった。

昔のこと、考えていたとき頭痛がしたのに、記憶の箱の鍵を開けたような気持ちだ。

あれはちょうど今ぐらいの時期だったか。

わたしが小さな頃の話だ。

夕暮れも差し迫った時間、駄菓子屋から帰ろうとしていたところだった。


「おわんの山にシンちゃんが来いって」


シンちゃんが呼んでるよ、とシンちゃんの同級生の女の子がわたしをひっぱる。

確か誰かにもらった猫のぬいぐるみを抱いて、女の子と急いでいった。

おわんの山というのは近くにあった公園の遊具で、お椀を逆さにしたような形に固められたコンクリート製で、上には黄色や青、赤や白などが上からぶらさがっており、小さな子でものぼったり降りたりできる。

おわんの山の側面には子供が一人、入れるぐらいの穴が横に四つ、交差する中央には縦方向に一つ掘ってあった。

その女の子と一緒におわんの山の頂上へと登る。

シンちゃん、この下に隠れてるんだって、と女の子がいった。

上から下へ下がらなきゃいけないと、のぼり棒を指差し、しかたなく滑り降りる。

猫のぬいぐるみを抱っこしていたんだけど、途中でぬいぐるみが落ちてしまう。

とろうとしたところ手元が滑って、そのまま下へ落ちてしまった。

穴の中央に立って女の子を呼び止めたけれど、女の子はいなくなっていた。

真っ暗だった。這いつくばりながら、手探りで横穴へいこうとしたら、なぜか横穴は木の板で仕切られて外へ出られない。

あとから聞くと誰かがいたずらでどこからか木の板をもってきて穴をふさいでいたらしい。

足をくじいてしまって登り棒から上へと上がれなかった。

真っ暗な中、ただわたしは猫のぬいぐるみととも泣くしかなかった。

夜も更けたころ、ようやく駆けつけてくれたのはシンちゃんとうちのお母さんだった。