計画的俺様上司の機密事項

男なんてみんな女に対してオオカミ、野獣なんだ、と女友達が言っていた。

園田部長だって、シンちゃんだってそういう気持ちで近づいてきたんだろう。

あんな野獣みたいにわたしの上に乗っかろうとしていて怖いはずなのに、シンちゃんの美しい瞳を見ていたら何故だか怖くなかった。

その先はどうなっていくんだろう、という期待がかすかに浮かんでしまった。

何を考えているんだ、わたしは。

それより、どうしたらシンちゃんがウチから出て行ってくれるのか、それを考えないと。

考えていたら、お腹が鳴る。

そういえば、昨日買い出しに行くのを忘れて結局コンビニで済ませたんだった。

仕方ない、買いに行こう。

そう思っていたら、ドアの隙間からいい香りが漂ってくる。

しばらくすると、廊下から音がして、今度はちゃんとトントンとドアをノックした。


「夏穂、いいか?」


「何かご用ですか。シンちゃんに用なんてないですけど」


ドア越しに大声で叫んだ。

すると、大きな音を立ててシンちゃんがドアを開けた。


「メシだ。こいよ」


「え?」


シンちゃんは深緑のギャルソンエプロンを巻きつけていた。

廊下からいい香りが漂う。

お母さんがいた頃と同じような暖かい香りが広がっている。


「ほら、行けよ。行かねえと、さっきの続き、するぞ」


と、シンちゃんが部屋の中にゆっくり入ってきて、両手をわたしの体につかもうとしていたので、するりとかわして慌ててダイニングルームへと駆け込んだ。