計画的俺様上司の機密事項

「また余計なこと、考えてたろ。頰が赤いぞ」


「考えてないし。お風呂が気持ち良くってずっと浸かってただけ」


さすがに、ええ、あれこれ考えてましたよ、なんて言えない。

ふうん、とシンちゃんがいうと、首にかけていたタオルをとり、髪の毛を拭いてくれた。

唇にシンちゃんの太く長い指が触れる。どきん、と胸がざわつき、思わず後ずさりしてしまった。


「思い出したか。あんな濃厚なキスだもんな」


「……シンちゃん」


クスクスと軽く笑いながら、丁寧に髪の毛を拭いてくれた。


「またしたくなったのか」


降り注がれる甘く響く声に唇が震えた。

あわてて、ごくりと生唾を飲み込んだ。


「そんなこと、ない……」


髪の毛を拭く手をとめ、わたしをのぞきこんだ。

まっすぐわたしを捕らえる目に逃れられなかった。


「それとも、それ以上のこと、期待していたとか?」


「何いってるのっ。シンちゃんのえっちっ!」


ニヤニヤと笑っている。

いつものおやじシンちゃんになってるし。

髪の毛を拭いてくれたタオルを頭にかけて、ぽんぽんと頭頂部を軽くたたいた。


「こんなことができるのはオレと夏穂だけなんだから。秘密にしておけ」


「わ、わかってるって」


急にわたしの顔にシンちゃんの顔が近づいた。


「あのキスが恋しくなったらいつでもしてやるよ」


「もうしなくていいからっ!」


残念、今チャンスだったのにな、がはは、と笑いながらシンちゃんはお風呂へいってしまった。