計画的俺様上司の機密事項

デパートのマークのついた買い物袋を手に自宅へと帰ってきた。

ドアを開ける前に、買い物袋の中を覗く。


「結局、焼肉弁当、二つ買っちゃった……」


シンちゃんは真鍋先輩とそのままご飯を食べてくるから、必要ないはずなのに。

ドアを開けると廊下もダイニングへ続く細長いすりガラスのついたドアからも真っ暗だった。

まだ帰ってないんだ、と思い、自分の部屋を開ける。


「早く帰るなら連絡しろ」


向かいの開けたドアから声がする。朝みかけた黒いTシャツにジーンズ姿で、髪の毛をくしゃくしゃと掻きむしりながらシンちゃんがそこにいた。


「も、もしかして、その部屋に真鍋先輩が?」


「想像力高すぎ。そういうのは仕事に活かせよ」


まったく、そういうこというのは一丁前だな、とシンちゃんはつぶやきながら、廊下の電気をつけていた。


「すみませんね。変な想像ばっかりすぐにでて」


「オレも勝手に妄想させてもらってるからいいけど」


がはは、といつものおやじシンちゃんになって笑ってるし。


「で、メシは?」


「……食べてない」


「だからか。さっきからその袋から、うまそうな匂いプンプン漂わせてやがるし」


といって、シンちゃんはわたしが持っていた買い物袋を取り上げられた。

わたしに断りもなしに、シンちゃんは買い物袋チェックをはじめている。


「ふうん。デパ地下の焼肉弁当か。ここの評判いいみたいだな。ん? 二つ入ってる。まさか夏穂、二つ食べる気じゃないだろうな?」


じろりとシンちゃんは白い目でみてくる。


「そ、そんなことあるわけないでしょ。いらないなら、全部食べるし」


「オレの分、買ってくれたんだろ。オレもあとで残り物で夕飯済ませようとしてたからちょうどいい。これに見合うおかずをつくるか」


シンちゃんはお弁当の入った袋を丁寧に持つと、いそいそとダイニングへといってしまった。