計画的俺様上司の機密事項

次のお店は今いたお店と反対側に面したお店で、飲食店が入る雑居ビルの1階に店を構えており、店主が直接現地で買い付け、厳選されたコーヒー豆にこだわったコーヒーショップだった。

新しくできたコーヒーショップということもあり、コーヒー好きな大人たちが噂を聞きつけて列をつくっていた。

わたしも野上くんもまた一番後ろの列に並び、順番を待った。

外観、内装とも木をベースに、シンプルでナチュラルテイストなテーブルと椅子で構成されていて、入り口近くでコーヒーを淹れているので、店に入るとコーヒーの香りに癒された。

冬の時期にしか出さないココアとコーヒー、パンケーキを野上くんが頼み、レジでまた野上くんがお金を払ってくれて、商品をのせたトレーを持って、そのまま店の奥に2席空いたカウンター席に座った。


「有沢さん、こっちあげる。味、教えて」


「う、うん……」


机に乗った分厚く白いコップになみなみと注がれたココアをわたしの前に置いた。

野上くんはブルーのコップに入ったコーヒーを自分の前に置くとそのまま口をつけている。

全体的に甘ったるい。できればコーヒーのほうが欲しかった。


「甘いかな。コーヒーのほうがよかった」


「そうだったんだ。有沢さん、甘いの好きだと思ったんだけどな。あ、こっち飲んじゃった。ごめん」


野上くんは、あはは、と軽く笑うとパンケーキを一口食べてから、有沢さん、これなら口に合うかもしれないよ、とすぐにわたしに渡してきた。

パンケーキには生クリームたっぷりにイチゴやブルーベリーがたっぷり上からかけられたものだった。

しぶしぶ口にするけれど、パンケーキが甘すぎる。ブラックコーヒーを飲みたい気分だ。

喉が渇き、お店の人に断って水をもらったのは救いだった。

水をもらっている間に野上くんはしれっとお店の店主らしい人物と話をしていた。