計画的俺様上司の機密事項

中に入るとビルの構造上、長細い店内は壁は白でテーブルと椅子は黒、照明はガラスランプが天井から吊るされており、床は茶色といったカフェ風の内装で、黒色のポロシャツに黒色のパンツ、茶色のエプロンを首からさげて、注文や料理を運んでいた。

空いた入り口近くのテーブルに案内され、野上くんがさっと立てかけられたメニュー表を取る。


「有沢さん、好き嫌いはある?」


「……ないけど」


「じゃあ、ランチが2種類あるんだけど、別々に頼んでいいかな」


「う、うん」


店員さんを野上くんが捕まえ、冬限定特別メニューランチを頼んだ。


「どんな感じかな。楽しみだね、有沢さん」


「そ、そうだね」


野上くんはわたしにメニュー表を渡すことなく、注文をとったらすぐにメニュー表を元に戻した。

待っている間、何を話したらいいか、わからず、黙っていた。

隣の女子2人組は言葉を交わさず、淡々とスマホをいじっている。

その奥の4人組のおばさまたちは上品そうに小声で世間話に興じている。

そのせいか、店内の洋楽BGMの音がうるさくこちらに降り注いできた。

野上くんは何か話をしようともじもじしているところで、店員さんが料理を運んできてくれた。

ワンプレートランチがわたしたちの座るテーブルに2つ並べられた。

ひとつはお肉料理、もうひとつは魚料理だった。

その下にサラダと玄米ご飯があり、あとからたっぷり野菜が入ったコンソメスープがやってきた。


「有沢さん、こっちでいいよね」


「え、ええ」


「有沢さんぽくていいかな、て思って」


と、デミグラスソースで煮込まれたお肉がたくさんのったほうを野上くんが寄せて、グリルされた魚と野菜のセットをもらうことにした。


「おいしいね、これ」


「うん」


野上くんが美味しそうにお肉を頬張っている。

口にする。確かにおいしいんだけど、と思いながら、並んでお腹がペコペコだったので黙々とご飯を食べた。