計画的俺様上司の機密事項

さっきからパソコンの時計が気になって、何度も時間を確認する。

時刻は15時をさしていた。

昨日まで掃除をしていたけれど、今日からやらなくてよくなって嬉しい反面、拍子抜けしてしまう。

仕事を進められるのはいいけれど、掃除はいい気分転換だったのかな、と思いながら作業を進めた。

昼休みを過ぎてもシンちゃんはこの部屋に現れなかったな、と思いながら画像の加工をしていると、内線が鳴る。


「有沢〜、渡瀬だけど〜。手に負えないよおー、助けてえ」


「わかりました」


野上くんに下の階にいってくるというと、わかったと納得してくれたけれど、ふう、とため息をついていて浮かない顔をしていた。

3階に降りて給湯室の前を通ると、シンちゃんと真鍋先輩が二人、狭い部屋で笑いあっているのを発見してしまった。

わたしの顔をみるなり、シンちゃんはそそくさと帰っていった。


「うふふ、結城部長ったら」


給湯室に残っていた真鍋先輩がこちらに気づいていたのか、上品に笑っている。

わたしはしらないふりをして、渡瀬先輩のところへ向かった。


「どうした。有沢、何、ふくれてるんだ」


渡瀬先輩から棒グラフと円グラフのデータがうまく反映できないとのことで、入力しなおして正しいデータに直してからグラフを完成させた。

渡瀬先輩が不思議そうにこちらをみている。


「な、なんでもないですから」


「有沢さん、いつもごめんなさいね。手伝ってもらっちゃって」


お茶とお茶菓子を持ってきた真鍋先輩がいつしなく美しくみえる。


「……真鍋先輩」


「そうそう、有沢さん、結城部長ったらね、本当に面白いのよ」


「……そ、そうですか」


「結城部長に相談されてね、どうしようかな、って思って」


「応援してますから!」


「あらあら、どうしたの? 有沢さん?」


真鍋先輩は軽く首を傾げつつも、しなやかな手つきでお茶を淹れてくれた。